藤谷先生の旅日記 第12号
2025.4.15-17
藤谷先生の旅日記 第12号
2025.4.15-17
三重県 多気町ほか
春の訪れとともに、山間部の町おこし視察旅を再開!
今年は春の訪れが遅く、旅の再開も4月中旬になってしまいました。今秋には、創作たこ焼きカフェ『にんにん亭』をオープンする予定なので、それに向けての準備と並行しながら、可能な範囲で今年も「山間部の町おこし成功事例」をキャンピングカーで視察していきたいと思っています。
今年度のスタートは、4/15(火)~17(木)お隣の三重県をチョイスしました。
まず向かったのは、農業法人(有)せいわの里「まめや」! 美味しすぎるバイキング!
総務省の「ふるさとづくり大賞」を受賞された団体を紹介する『地域づくりTV』というYouTubeをよく見るのですが、その中で、「この人の生き方、おもしろい!」と思ったのが、三重県多気郡多気町の「せいわの里 まめや」代表をされている北川静子さんでした。
なので、今回は、まず「まめや」のランチバイキングを食べに行こうと出発しました。下道3時間半ほどで到着。
そのバイキングがこれ!
地元産の大豆や野菜、山菜等を使ったお惣菜の数々…。
山芋のとろろ麦ごはん、山菜の天ぷら、タケノコの煮物、自慢の自家製豆腐、おからのサラダ、フキの煮つけ、おからドーナツ、桜もち風のお団子、肉厚のお揚げ…。
20種類以上の料理が並んでいました。時間無制限の食べ放題です。しかも、こまめに(まめやだけに…)作りたての料理が次々と補充されていきます。「よし、全種類を制覇しよう!」と少量ずつ取り皿に…。
最初のお惣菜を口に入れた瞬間、その味に驚きました。大げさかと思われるでしょうが、本当に『驚愕』の味なんです。「ほっぺたが落ちる」とは言いますが、そんな感覚を覚えずにはいられませんでした。
食べ進んでさらに驚いたのが、「すべての料理が絶品」なのです。平日の昼間だというのに、50席ほどのイートスペースは、10時の開店から14時の閉店まで、ずーっと「満席」の状態が続くのです。でも、この味で「納得」しました。滋賀県から4時間かけて行く価値があると思いました。
食事の後、代表の北川静子さんからお話を聞きました。
50歳で役場職員を早期退職し、有志でこの「まめや」を立ち上げて20年が経過したとの事です。北川さんのお話をザクっと書き上げてみます。
・校長先生、面白いことしてはるやん!私も行きたいわ!
・何をするにも、いろんな関係団体が繋がらなあかんよ!
・一人ではできひん!移住者の都会的な感覚も取り入れて、連携するの!
・今年から有料で視察研修を受け入れる事業を始めたんよ!宿泊施設もあるからぜひ、皆さんで宿泊研修に来てください!
隣接する宿泊施設「勢山荘」の志村さくらさんという人物、めっちゃええ人!
その流れで、隣接する宿泊施設「勢山荘」を見に行きました。
施設を指定管理している合同会社「PILILI(ピリリ)」代表の志村さくらさんとお出会いすることができました。アポなし訪問にもかかわらず、1時間以上もお付き合いくださいました。
ご主人の仕事の関係で16年前に東京から多気町への移住を決断されたとの事。そのご主人は、地域の方々から厚い信頼を受けられ、現在は多気町の議員をされているとの事です。
志村さんのお話では、教育現場とも深くつながって、過去の地域の偉人の功績を子供たちに伝えていくカリキュラムが整っていて、郷土への愛情が育っているとの事でした。大滝小の地域学習にも共通する部分を感じました。
三重ブランド『伊勢茶』の(株)「川原製茶」代表取締役会長、川原平生さんの熱い激励!!
2日目は、「VISON」と「伊賀の里モクモク手づくりファーム」を視察する予定でしたが、道中で志村さんのお話に出てきた川原製茶の工場を発見したので、即、志村さんに電話を入れて川原会長にアポを取ってもらいました。
10分程ならお会いしていただけるということで販売店舗「ふれあいの館」へ直行しました。お会いするなり、「校長先生、ええことしてはりますやん!」と胸が熱くなるようなお声掛けをいただきました。美味しい伊勢茶の香りに包まれ、約15分、川原製茶の代表取締役会長の熱い思いをお聞きすることができました。
「滋賀県では平和堂さんにお世話になってるんや!」「何かをするんやったらなあ、議員になりー!」「志村さんのご主人みたいになあ、議員になって町を変えていかなあかんねん。」「それからなあ、いろんな地域を見て視野を広く持たなあきません。」…
川原製茶という会社を築き上げてきた実績と経験に基づくお話には、「周りの人間を元気にする不思議な魔力」を感じました。
川原製茶の工場見学
川原会長が工場に連絡を取ってくださり、畑井課長が製茶の袋詰め工場を案内してくださいました。
高級茶のブランドとして、最高級のパッケージングとラベリングを見せていただき、おまけに「玉露」のお土産まで頂いてしまいました。
「多気町」って、おもてなしの文化が根付いている町なんだと強く感じました。川原製茶の皆さん、本当にありがとうございました。
伊賀の里『モクモク手づくりファーム』!
2泊3日という限られた時間なので「VISON」の視察は次回に持ち越すことにし、伊賀の里「モクモク手づくりファーム」に向かいました。
時間が遅く、お話を聞くことはできませんでしたが、上質の豚肉を中心としたハムやウインナー、地ビール、手作りパン、個人的には農村料理の店『もくもく』で食べた超肉厚の「かつ丼」が最高でした。
最終日、道の駅「奥永源寺渓流の里」に寄り道…
帰りの経路は、国道421号線を通るルートで帰ってきたので、多賀町のお隣さんでもある「永源寺エリア」で寄り道をして帰ることにしました。
道の駅「奥永源寺渓流の里」に設置されている案内看板を見ると、近年いろんな事業者が様々な取組を展開されている事がわかります。
自然を生かしたキャンプ場、渓流釣り、アウトドアのアクティビティー体験施設、宿泊施設、焼物や木工の工房、パン屋さん、イワナ料理のお店…
「永源寺、なかなかすごい!」
そんな中で私は、10年ぶりぐらいで「池田牧場」を訪問することにしました。美味しいジェラートが食べられて、宿泊もでき、森林の中でマイナスイオンを満喫できるすばらしい施設です。
食事を楽しみにして行ったのですが残念ながら、食事部門はコロナ禍の時期に閉店されたそうです。仕方なく、少し施設を散策して帰ろうとしていると、ひとりの女性が庭の手入れをされていましたので、「美味しいランチ、もうされてないんですねー?」と声をかけると、「うれしいことゆーてくれはる。私がやってたんですー!」と。その女性がオーナーの池田喜久子さんでした。
現在は息子さん夫婦に牧場経営を任せていらっしゃって一線を退かれているようでしたが、私の視察旅の事や大滝地区の「町おこし」の事をお伝えすると、たくさん共通の話題が出てきて会話が弾みました。30分近く立ち話をしていました。その中で、池田喜久子のお話の中で何度も出てきた言葉が、「補助金もらうと施設の修繕等が後々やりにくい。」、「身の丈に合ったことをして行くのが良い。」という事でした。
旅のまとめとして…
今回の旅は、三重県多気町の「まめや」が目的。あとは久々にひとり旅をのんびりと楽しんでみようというコンセプトでした。
「まめや」代表取締役の北川静子さんのパワフルな動きに感銘しました。更には「勢山荘」志村さくらさん、(株)川原製茶の川原会長のお人柄に感謝感謝…の旅となりました。
家にいるとインターネットや資料で情報収集はできるけれどあくまでそれは情報でしかない。現場に行くと「本物が見える」ということを、再確認した旅になりました。海の幸、山の幸、両方が楽しめる三重県。「ええとこやなあ…」と思いました。最終日の夜は、名湯「湯の山温泉」に行き、露天風呂からの絶景を見下ろしながら温泉を楽しみました。
また、車中泊のマナーを守り、道の駅に迷惑をかけない旅人をいつも心がけています。ごく一部のマナーを守らない旅人のせいで、キャンピングカー車中泊旅をする旅人が、同じ色めがねで見られてしまうことを悲しく思います。