藤谷先生の旅日記 第3号
2024.5.27-30
藤谷先生の旅日記 第3号
2024.5.27-30
岐阜県 白川町ほか
第3回遠征は、岐阜県白川町へ!
台風1号が接近しているということで、今回の遠征は近場にしました。
平塚建築さんが間もなく土蔵サウナ(ドガサウナ)をオープンされるということで、サウナを町おこしに取り入れている岐阜県白川町に行くことにしました。
「里山のサウナ」をナビで住所検索して訪問!
多賀町の自宅からナビで住所を検索すると138km。「今回は楽勝!近い近い!」と余裕の気持ちで出発しました。
今回も強風を避けることと高速代を節約するために、当然のことながら一般道で向かいました。ほぼ予定通りの時間に現地の加茂郡白川町黒川地先には辿り着いたのですが、どうもそれらしき施設が見当たりません。やむを得ず郵便局に立ち寄って、「この辺りに、里山のサウナはありませんか?」と尋ねると、局長さんが出てきてくれて、地図を片手に事業者の自宅を教えてくださいました。
常時オープンしているのではなく、予約の入った時だけ営業されているようです。
事業者の自宅にアポなし訪問!
作業着姿のぱっと見、「農家の主婦」って感じでしたが、よく見ると美人でどこか都会的な雰囲気の漂う女性が自宅横の小屋から出てこられたので、事情をお伝えしました。すると「それは私の主人ですが、今は来客中のためしばらくお待ちいただけますか?」と…。
そして、ご主人の来客対応が終わるまでの間、私の相手をしてくださいました。15年前に東京からご夫婦で移住してこられたとの事です。有機農業がしたくて夫婦で脱サラをして白川町に来たそうです。
しかし、有機農業だけでは十分な収益を上げることは難しいのと、少し生活に慣れて余裕が出てきたことで、ご主人が「里山のサウナ」を始められたそうです。
ご主人、伊藤和徳さんとご対面!
ドラえもんの「のび太君」が知性を持ち合わせた感じの雰囲気。そんな風貌のご主人が出てこられ、奥様から用件を伝えていただきましたところ、快く施設の見学を受け入れてくださいました。
小雨が降る中、車で先導してくださって、ご自宅からほど近い場所にある「里山のサウナ」へ連れて行ってくださいました。その施設は…、
4~6名ほどが入れるバレル(ワイン樽)型のサウナが1つ。その横にヒノキで作った水風呂が1つ。男女の更衣室が1部屋ずつ。男女別のトイレ。男女共用のシャワールームが1つ。水分補給用の上水道が1つ。消火設備が1か所。受付テントが1つ。そしてこれらを目隠しするために、木のフェンスで全体を囲っているという施設でした。サウナの後の水風呂は、すく隣を流れている白川(?)にドボンと浸かるのも人気だそうです。
サウナを営業するには様々な条件がある!
必要最小限の施設がこの「里山のサウナ」だそうです。当初は細かなルールがあることを知らずに始められたそうですが、お金をもらって営業するためには、いくつかの条件をクリアしなければならないようです。
凄いのは、このバレル型のサウナを移住仲間の大工さんと協力して組み立てキットを商品化することに成功されたそうです。そして、この3年間に15棟の設置販売をされたようです。
薪ストーブを含めてのキットの総費用が約160万円、設置の費用が約20万円。
普段は有機農業者、さらに奥様とのコラボ!
伊藤さんの名刺には、里山農業家、和ごころ農園と書かれています。「里山のサウナ」を予約すると、自然サウナを楽しむとともに、その後、奥様の手作りの有機野菜を中心とした料理を食べられるようになっているそうです。
奥様は美大を卒業されていて、名刺やパンフレット、HPなどいたるところにセンスの良いデザインが施されています。
さらにさらに…!
伊藤さんが手がけていることはこれだけに留まりません。
白川町は「白川茶」の茶所で有名です。しかし、担い手不足で廃業されるお茶焙煎所があり、それを引き継いで「日々茶焙」という小さなお茶の焙煎所を始められました。
さらにさらに…、「半農半X(はんのう はんエックス:農業と他の仕事を組み合わせた働き方)」を学び合うコミュニティーづくりや「方眼ノートトレーナー(?)」(これについてはお聞きできませんでした。)なる肩書もあるようでまさにスーパーマンです。
*方眼ノートトレーナー:『頭がいい人はなぜ、方眼ノートを使うのか?』著者の高橋政史氏による「方眼ノートメソッド」を教えるトレーナー
一般社団法人「白川町移住交流サポートセンター」を訪問!
白川町も大滝地区と同様に人口の減少が大きな課題です。移住者の受け入れや支援を以前は役場職員が担当していましたが、上司に伺いや文書回議しているとフットワークよく動けないのと、土日の対応ができないということで、白川町では一般社団法人「白川町移住交流サポートセンター」を設立して、毎年20家庭ほどの移住者を受け入れているそうです。
センター長の鈴木寿一さんにお会いしてお話を聞きました。職員は6名おられて、役場職員のOBと地域おこし協力隊が2名。「集落支援員」という肩書で仕事をされていました。
多賀町もこのような窓口をつくるのがよいと思いました。
大雨警報が発令されたので武芸川温泉に避難!
遠征中に岐阜県全域に大雨警報が発令されたので、近くの武芸川温泉へ行き、避難も兼ねてゆっくりしました。4種類の内風呂、4種類の露天風呂、サウナ、そしてなんと言っても、岩盤浴が温度ごとに4部屋もある。
さらに漫画や雑誌や書籍が充実しているのと、パソコンスペース、リクライニングベッド(TV付)、yogibo-がいっぱい設置してあるくつろぎスペースがたっぷり。レストランも手ごろなお値段で豊富なメニュー。すべてを750円で利用できるのです。
私が体験した日帰り温泉の中ではNo.1の施設です。相当な費用を投資して作られたと思います。翌日に店長に電話をして、武芸川温泉建設の経緯を取材依頼しましたが、残念ながら今回は無理でした。
道の駅「古今伝授の里やまと」で車中泊!
武芸川温泉の取材を断念して、岐阜県のたくさんある道の駅の中でも特に人気がある「古今伝授の里やまと」に行きました。平日なのに駐車場はいっぱいでした。人気の理由は、お店の充実度だと感じました。
食べ物関係だけでも、地元のおばちゃん達が作る郷土料理のお店、麺類のお店、ヘルシーな定食のお店、アユの塩焼きのお店、本格的なフランス料理のお店、パン屋さん、たこ焼き屋さん、ソフトクリームや飛騨牛コロッケのお店…。温泉も700円でとても充実していました。
お土産のお店も充実。地元のおばちゃんたちが手作りで作った手芸品を売るお店もあり、ざっと少なく見積もっても100人以上の方々が生き生きとお仕事をされていました。
まさに、私が目指したい施設の姿でした。
旅のまとめとして…
今回は、「里山のサウナ」以外はノープランで旅に出ました。天気も悪く台風1号も近いということで、近場ですぐに帰れるところにしておこうと思ったのですが…。岐阜の山奥からはすぐには帰れないことがわかりました。
直線距離は近いのですが、いくつもの大きな山を峠越えして移動しなければならないことを改めて理解しました。しかも、走らない軽トラベースのキャンピングカーでは…。大変でした。