藤谷先生の旅日記 第13号
2025.10.28-29
藤谷先生の旅日記 第13号
2025.10.28-29
和歌山県 龍神村
久しぶりの県外遠征は、和歌山県の龍神村へ!
退職2年目の今シーズンは、いろいろな役職やら用事やら習い事やら…。けっこう多忙な毎日を過ごしておりまして、なかなか「ひとり旅」に出られません。
そんな中、10月28~29日の2日間、ぽっかりと予定が空いていることに気づき、前日に急遽アポを取って和歌山県田辺市の「龍神村」に遠征しました。
強引なアポ取りで先方も困惑されていましたが…。「サツマイモの収穫をお手伝いします!」と言うと、「それならぜひ来てください!」と快諾してくださいました。作戦成功!!
紀伊山地の国道は、まさしく酷道!!
例のごとくプー太郎の私は、高速料金を節約してGoogleマップを頼りに「いざ、龍神村へ!」と向かいました。
名阪国道まではすこぶる順調でしたが…。奈良から和歌山に向かう山間部の国道をGoogleナビが指示したので、「まあまあ、国道なんだから何とかなるだろう…」と甘い考えで進んだのですが…。「えーーーーー!これが国道…?」というような道の連続…。
うっそうとした山林の中を通り、車1台がやっと通れるような道路幅の箇所を何度も繰り返し通過し…。「クマに注意!」の看板も…。マジで生きた心地がしませんでした。
愛車のキャンピングカーも(そもそもエンジンは軽トラなので…)悲鳴を上げていました。Googleナビでは「約5時間で到着!」という噓つき案内でしたが、結局6時間半以上かけてようやく龍神村に辿り着きました。
「浦 光良さん」という人物 ~元小学校長のすごい人~
今回のアポイントは、大学の先輩の紹介で、元小学校の校長先生で十数年前に龍神村(人口約2,500人)にある奥さまの実家に移住され、定年退職後は、広大な面積の山林や棚田、畑、家屋等の資産を守るために、農林業に従事しておられる「浦 光良(うら みつよし)先生」にお願いしたのです。
「宮代キャンプ場の川向いの畑でサツマイモの収穫をしていますから来てください!」
浦先生からは、「宮代キャンプ場に着いたら電話してください。」と聞いていたのでその通りにしたところ、川の向こう岸には、素晴らしい景観の「棚田」が広がり、そのど真ん中に赤い服を着た男性がこちらに向かって手を振ってくれていました。
住所も番地も知らないのに、こんな簡単に見つかったことに、なんか笑ってしまいました。
ご挨拶もそこそこにして、さっそくサツマイモの「つる切り」をお手伝い!
農作業用の長靴も手袋も自前で持って行ったことや、サツマイモのつる切り作業の要領もすぐに理解したので、たぶんこの時点で浦先生から(この得体の知れないあつかましい来客が)「認められた」のではないかと思われます。(笑)
浦先生のお人柄がよくわかりました
浦先生は10年ほど前に奥さまの実家に入られたという事でいわば「移住者」ですが、出会う人出会う人が、にこやかに声をかけてこられます。
昼食を食べた食堂でも教え子さんに出会われ、そのやり取りを聞いているだけで、浦先生との素晴らしい信頼関係が構築されていることがわかりました。
評判の「チキンカツ定食」をご馳走になり、午後の作業へ!
昼休憩でずいぶんと時間をロスしてしまったので、午後はフル稼働でサツマイモの収穫作業を行いました。
不規則な形をした細長い「棚田」の畑なので大きな機械は入れません。昔懐かしい小型の耕運機で浦先生がサツマイモの畝を起こし、私が起きたサツマイモをハサミで切り離し、畝に並べて乾かします。
山間部の日没は早く、夕方の5時にはもう薄暗くなってきました。しかし、起こしたサツマイモを放置しておくわけにはいかず、コンテナに入れて自宅まで運ばなくてはなりません。
二人で必死に作業し、ヘルメットのスポットライトの明かりを頼りに、なんとかコンテナ10箱ほどのサツマイモ収穫を終えることができました。
龍神村唯一のコンビニ「ローソン龍神西店」 ~ちょっと変わったコンビニ~
龍神村唯一のスーパーが廃業されて住民の方々が困られたとの事…。そんな中で龍神村にゆかりのある方が地域貢献したいと「ローソン」を出店されたそうです。
私がイメージするコンビニとはかなり違っていて、食料品、生活用品の品揃えの良さに驚くコンビニでした。
また、地元の畑でとれた野菜コーナー、さらに畳張りのイートインスペースが設けられて、地域の方々の喫茶店&コミュニティーの場となり、小中学生の学校での作品もたくさん展示されていました。
「大滝にもこんなコンビニあったらええなあ…。」
公共ライドシェア(交通空白地有償運送)の取り組み ~2年間の実証運行がスタート~
NPO法人「ええとこねっと龍神村」では、この10月から地域高齢者の移送手段として、公共ライドシェア事業を始められたそうです。格安の料金で利用でき、利用者に喜ばれているとの事です。
詳しい仕組みは聞けなかったのですが、興味深い取組です。
さといもの焼酎も作られていました
龍神村で作った里芋を原料にして「さといも焼酎」を造って販売されていました。
「さといもの焼酎…?」初めて聞いて、興味津々。
浦先生が先ほどのローソンで買ってくださり、お土産として頂いて帰りました。クセがなくすっきりとした味わいでとても飲みやすい焼酎でした。
旅のまとめとして…
一泊二日の弾丸旅でしたが、土にまみれてサツマイモの収穫作業を二人でやりながら浦先生とお話しさせていただいたことが、「最高の収穫」でした。棚田で米を作り、野菜を育て、山林を維持管理し、さらに地域のリーダーとしてご活躍されている浦光良先生!エネルギーを充電させていただきました。感謝、感謝…です。
(写真は、イタドリの試験栽培をされている畑です。)